反転する環境国家―「持続可能性」の罠をこえて―無料のPDFブック
反転する環境国家―「持続可能性」の罠をこえて― (日本語) 単行本 – 2019/6/7
建築, 環境問題, 建築・土木工学, 佐藤 仁
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- タイトル: 反転する環境国家―「持続可能性」の罠をこえて― (日本語) 単行本 – 2019/6/7 de 佐藤 仁
- ISBN: 978-4815809492
- ファイル名: 反転する環境国家-持続可能性-の罠をこえて-日本語-単行本-2019-6-7.pdf
- 発売日: 2019/6/7
- ページ数: 366ページ ページ
- 出版社: 佐藤 仁
ファイル名 : 反転する環境国家-持続可能性-の罠をこえて-日本語-単行本-2019-6-7.pdf (サーバー速度20.84 Mbps)
ファイルサイズ : 18.3 MB
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反転する環境国家―「持続可能性」の罠をこえて― (日本語) 単行本 – 2019/6/7 - 国家に依存した自然保護の急速な展開は何をもたらしたのか――。東南アジアをフィールドに、灌漑や森林、漁業資源をめぐって起こる思いがけない「人の支配」への転化や、開発と保護の連鎖する関係をあぶりだし、その解決策を現場の人々のしたたかな戦略や日本の経験に見出す。環境論の新たな地平を拓く著者の到達点。 【書評】 ・『アジア・アフリカ地域研究』(2020年 第20-1号、評者:生方史数氏) "…… 本書の特徴は、何といってもその枠組みである。地域研究者がこれまでみてきたような、国家主導の開発や環境対策が地域に与える負の側面が、ブラックボックスにされがちな国家の側から分析されている。なかでも開発国家と環境国家の連鎖への注目は特筆に値する。著者が述べるとおり、どちらも「現場に何らかの不足を見出し、外からその不足を埋め合わせるための資源を持ち込むという開発国家のエートス」(p.284)を保持するからである。かくして開発主義から生じた問題は、「持続可能な開発」のもとでさらなる開発主義へとつながる。筆者はここ数年ベトナムでPFES(森林環境サービスへの支払)の研究を行なってきたが、この点は全く同感である。また、自然環境への働きかけという一見非政治的な国家のふるまいが、その非政治的装いゆえに非常に政治的な結果を生み出しているという「環境対策の隠れた政治性」を、多彩な理論と現場の情報を駆使して明らかにしている点も、本書の大きな魅力である。たとえば、水力社会や社会的財の概念を援用して、環境の統治が人の支配に転用される点を論じるくだりや、本書第2部で示される反転のさまざまなバリエーションの解釈は鮮やかで説得力がある。さらには、第3部でそれまでに検討した内容を実践的提言に的確に結び付けている点も、著者の真摯な姿勢を感じさせる。……"(『アジア・アフリカ地域研究』2020年第20-1号、pp.147-148) ・『アジア経済』(第61巻第3号、2020年9月、評者:金沢謙太郎氏) "…… 著者の佐藤仁は、これまで開発研究、資源論、環境政策など幅広い分野において、刺激的な論考を発表し続けてきた。「現場に身を置いて、人々の側から問題を捉え議論を組み立てていくこと」を「社会科学の仕事」(viiiページ)と言明する著者は、豊富なフィールドワークの実践に基づいて環境政策を読み解く。経済開発と環境保護をひとつの連続としてとらえる著者の視線の先にあるのは、そこに発動する権力の動きである。経済開発も環境保護も国家を主体とした公共事業であり、両者は一連のつながりをもつ。本書はこうした視点から、環境政策のパラドクスを解き明かしていく。…… 本書はその副題にあるように、持続可能性という概念に潜む罠に警鐘を鳴らすものである。現在、開発業界ではSDGsが一種の「流行語」になっているが、本書の問題意識を重ねれば、実態が伴っていないのにSDGsに対応しているかのようにみせかける「SDGsウォッシュ」やSDGsの反転の可能性にも留意する必要があろう。また、結論では、環境国家の権力構造を踏まえ「やはり、開発と社会制度のあり方そのものを見直す必要が出てくる」(293ページ)と言及されているが、今後具体的にそれをどう見直していくのかが問われることになろう。本書は、持続可能性とは何をいつまで持続することなのか、という問いについて幅広い学問的視野とアジアの人々の暮らし向きから深く探究した書物であり、今後開発と環境の問題を追究するうえで欠かせない道標になるだろう。"(『アジア経済』第61巻第3号、pp.97,100) ・UTokyo BiblioPlaza(自著紹介) ・「朝日新聞」(2020年6月10日付、「折々のことば」(鷲田清一氏)) ・「毎日新聞」(2019年12月15日付、読書欄特集「2019 この3冊」、評者:松原隆一郎) "……「環境に優しい」はずの政策が、現場で住民を苦しめるのはなぜか。…… 宇井純『公害原論』を引用しつつ、アジアに適用された環境政策の裏面を丹念に解き明かす。"(「毎日新聞」2019年12月15日付、第8面から) ・『図書新聞』(2019年11月2日号、第3421号、評者:喜多川進氏) "…… 多様な反転の態様をインドネシアの灌漑用水、タイの共有林、カンボジアの漁業資源などの事例から明らかにしている。その結果、「環境にやさしい」はずの政策が、地域の人々を苦しめる実態が浮き彫りになっている。…… 新しい視座を提示するとともに、「環境政策を真に社会科学的な課題にしていくための土台を準備」(vii頁)したといえる本書は、環境問題をいわゆる「環境好き」の人びとの考察対象にとどめず、統治・支配のあり方を議論するうえでの格好の素材として見出している。昨今はSDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)ブームであるが、本書をSDGsの反転の芽を察知するうえでの警世の書とみなすこともできる。 ……"(『図書新聞』2019年11月2日号、第3面)
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